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執筆者の写真TOMOCHI COFFEE

モノdesign(1):店舗ロゴ

◎店舗イメージの確認

 店舗ロゴはお店のイメージを伝えるためには重要な要素ですので、伝えたいお店のイメージはどんなものかの確認を最初にしました。


 それは、当店が焙煎するコーヒー“酸味・苦みが強すぎず、それでいながら風味豊かで産地ごとの特徴がわかりやすい”ということ。そして路地裏感のある落ち着いた立地。この2つです。


 ロゴづくりでは、前店舗では図案+文字でロゴマークを作りましたが、今回はシンプルに文字のみのロゴマークとしました。つまり、文字フォントの印象が重要ということになります。


◎フォントの選定作業

 フォントをデザインするというのは一朝一夕にはできませんので、実際には数多くあるフォントの中からフォントを決めるという作業になり、商用利用可のフリーフォントや購入フォントなど、セリフ系(CenturyやTimesRomanなど日本語フォントでいうところの明朝体風)とサンセリフ系(Arialなど日本語フォントのゴシック体風)といろいろ試しました。


 ここでロゴデザインついて視点を少し変えた話をしますと、ロゴは印刷物やスタンプ制作、入口ドアのガラス面に貼るカッティングシート制作など利用する場面が多く、その制作の難易度つまり制作適性も非常に大切な要件です。


 たとえば、セリフ系にするとオシャレ感は出しやすいものの、細い部分が多いため、スタンプ制作ではサイズによっては制作不可になってしまったり、カッティングシートではカットマシン内での細部めくれでシートが破損しやすくなります。また遠方からの視認性もよくはありません。


 それに対して、サンセリフ系は制作適性が高いのですが、反面、見た目の印象がワイルド感だったり力強さというものが前面に出やすく、当店が作りたいコーヒーの印象からは乖離が生じると感じました。


図1 セリフ系とサンセリフ系の例


 ここまでの検討で、当店の作るコーヒーの風味“浅煎りすぎず、深煎りすぎない、そして風味が豊かである”というコンセプトをフォントの“線の太さや強弱”で表現したいということが明確になってきました。また制作物適性からサンセリフ系に絞って選定することにしました。



 さらに、ある2つの選定基準を決めました。


1つ目はTOMOCHI COFFEEの「M」のシルエットです。シルエットが“下広がり型”の方が“寸胴型”よりもオシャレに感じました。


図2 「M」のシルエットの与える印象

 そして、2つ目の選定基準は、サンセリフ系でありながら1画1画の線の中で強弱(太細)がある方が表情の豊かさを感じました。“表情の豊かさ”まさに当店のコンセプトです。


 すぐに思い浮かんだフォントはチョコレートのGODIVA、英国車Aston Martin、GUCCIなどがベースフォントとして使用しているフォントでした(調べたらOptimaというフォントでした)。

図3 却下したフォントOptima


 しかし、このフォントを使用することで、他社が作り上げたブランドや印象を拝借するという意識が自分たちの中に残りそうだったので却下しました。




 そして最終的にAerisというフォントに決めました。


 詰めの作業はウェイト違い(線の太さ)をいくつか試して、文字間調整しています。ちなみに文字間は標準よりもゆったり感を表現したく数%広くしています。とても気に入ったロゴが出来上がりました。しかし、“ROASTERY”はセリフ系のほうがバランスがよく感じてしまい、結局は制作物適性は…以下省略。


図4 最終決定したロゴ

2020.1.18 加筆修正しました。

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