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執筆者の写真TOMOCHI COFFEE

[Design] 商品カードデザイン変更とその意図

更新:2023/7/11 デザインのマイナーチェンジ

 6月に入ってから13(火)までに、当店での商品説明の場すべてにおいて、説明のしかたを変えるためのデザイン変更を完了しました。

 商品説明しているのは、WEBサイト(公式ページ、オンラインショップ)と店頭販売の3か所ですが、特に公式ページと店頭販売では説明文に文字数制限があり、それはデザイン上の問題でもありました。商品名や産地情報は問題ないのですが、風味の説明は約50文字で説明しきる必要があり、そのために省かないといけない説明もあるもどかしさを感じていました。

図1 新しいメインカード[正面]と説明カード[平置き]

 文字数制限という点ではWEBサイトでは比較的簡単に解消できます。実際、別ページに移動するという方法で空間を増やし実現できました。


 それに対して、店舗では紙サイズに制約を受けるため、文字数制限を解消しようとすると、紙サイズを大きくするとか文字サイズを小さくするとか行間を詰めるなど、設置場所の問題に及んでしまったり見づらさという別の問題がでてきます。

 このように制約条件が多い実店舗での解決には、文字数制限を受けやすい表現方法そのものを変更する必要があり、結果的には、WEBサイトの文章説明に対して実店舗では箇条書きにしました。

図2 説明カード新旧比較

 新しい説明カードでは、これまで当店が採用してこなかった酸味・苦みなどのグラフ表示を載せています。このようなグラフは比較して選びやすい反面、グラフには表れない“個性”が削がれてしまうため、たとえばある方にとって浅煎りケニアが好みにマッチする風味であったとしても、「酸味がないもの」という基準で選択すれば、このケニアの美味しさを味わうチャンスが埋もれてしまいます。

 そういうこともあり、これまでグラフ表記を避けてきましたが、新説明カードではグラフの横に質的な表現をしたキーワードを併記することで、箇条書きの範囲でグラフ+αの情報を載せました。

図2 新カードデザイン

 そして、説明カード旧(平置き側)にあった焙煎度表示は、メインカード側(正面側)に移しました。店頭での口頭での説明は、焙煎度のことが一番最初ですので、それにならって焙煎豆写真の直近に配置しました。また、当店が扱う焙煎度範囲の中でこの商品がどのあたりなのかということと、店頭で横並びにしたときにぱっと見で比較しやすいように矢印マークなどでの指示表示ではなく、浅い/深い焙煎を色付けとグレーアウトでレベルゲージとして表示しました。

図3 新商品カード 焙煎度表示は正面カードに

 次に、正面メインカードについて見てみると、今回の大きな変更点は次の2点です。

・レイアウトを“左上-右下配置”から“中央配置”に

・使用するフォントを明朝/セリフ系からゴシック/サンセリフ系へ

図4 旧カード 正面カードでは要素を左上から右下に配置

 レイアウトを中央揃えにした理由は、ひとつには単純に格好よく見えるからということと、もう一つはスマートフォンで情報を得ることがほとんどの人において日常化しているのではないかという憶測から、スマートフォン的に縦長画面を意識したレイアウトが見やすいのではないかということでこうしました。


 そして、フォント変更。旧カードも含めて、いま現在の商品に対する意識で決まっています。

 これはレイアウトについてもそうで、これまでのレイアウトは左上から右下という行儀のよさがあり、その上で明朝/セリフ系フォントというポップさを排除したフォントを使用することにより“堅実さ”ということを表していましたが、それは裏を返せば焙煎技術に関して余裕がないということの裏返しだったのではないかと思います。


 堅実さとは聞こえが良いですが、“失敗しないように”という守りを主体とした取り組みで、100点に対して80~90点を狙うような“まだまだ”という意識が強かったと思います。

 ところが、2021年から焙煎機の改造とその成果が加速して、その“堅実さ”を超えたところでの風味づくりができるようになってきました。それに伴って、自分たちが仕上げる商品に対する見え方が、日常的な「飲み飽きない味」という軸を保ったまま「質感の高さ」をまとうようになってきたように思い始めました。


 このような意識の変化から、商品の見せ方も格好つけても良いという自分たちへの許可が下りたような、そんなデザイン変更だと感じています。


図5 2023/7/11現在 シャープな印象のフォントに変更しました

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