top of page
執筆者の写真TOMOCHI COFFEE

モノdesign(2):店頭サインボード

 

図1 制作した店頭用サインボード

 モノdesignの2回目記事は、店先に出してあるサインボードです。


 店舗立地が路地奥であることから、いちばん最初にお客様が目にするのはサインボードになる思います。


 検討するのはサインボード本体と図案部分。


 まずは、ベースとなるサインボード本体の選定です。基準は次の3つ。


 1) 毎日の出し入れがラクであること……風で倒れない程度に軽い。

 2) 耐久性があること……主に、雨と日焼けに強い

 3) 再制作の容易性……再制作の場合の入手性と仕上げのための手間。



 当初は、本体をDIYで作れるものを考えていたので、加工方法を考えてボード本体を木製+クリア塗装にしようとしていました。図3は前店舗でDIYで作ったものです。



図2 前店舗の木製サインボード

 しかし、DIYで作れて軽い木材というとパイン材など密度の低いものとなり、雨と日光(ほぼ西日)で表面から浮き・めくれなど傷みやすいため、ボード本体に木材を使用することをやめて、新店舗との質感を統一するためにも無機質な樹脂製(既製品)を採用しました。

(“無機質”基調にした理由については、後日お話ししたいと思います。)



 今回選んだサインボード本体の素材は、ABS樹脂の耐候グレードです。


 この素材は、家電の外装パネル(エアコン・空気清浄機や壁スイッチなど)に使われることが多い樹脂で、強度がそこそこあり、さらにこの製品には屋外使用(特に日光)向けの耐候グレードを使用しているようです。


 重さは2.8kgとかなり軽量なため、風圧を受けやすい外形なので強風が吹き抜けるような場所では別途おもりが必要かと思います。



 本体はインターネットで購入しました。

 実物が届いてみてわかったのですが、デザインエリアは印刷されたデザインシートを張り付けることが前提なので、張り付きがよいように表裏面ともに光沢になっていました。


 そのため、光沢面に直接図案を貼ると…光沢面を残したままにしておくと、遠方からは反射で見えにくかったため、マット黒のカッティングシートをデザイン面に貼付け、その上にマット白の図案をカッティングシートで貼ることにしました。



 施工はDIYです。これまでカッティングシートの貼り付けはDIYで数回作業していますが、YouTubeにアップされているプロの方の作業を参考にしています。


 今回も施工サイズ的には経験があり、難易度は高くないと想像していたのですが、マット黒部のように全面ベタで貼るのは初めてで勘所がわからず、初回は失敗してしまいました。ちなみに、黒部、白図案部ともに水貼りしています。




 図案は、遠くからも認識しやすいシルエットイラストをメインにして、文字や枠線などを必要最低限にしました。また、BEANSとTAKE OUTを横ラインで区切ることで「2種類ある」ことをわかりやすくしています。


 当初、豆とカップの絵を□枠で囲ってアイコン風にしたのですが、若干ごちゃごちゃした印象になってしまったため、よりシンプルにするために横ラインのみにしました。


 ちなみに、店名ロゴの下に「ROASTERY」の文字が無いのは、セリフ系(ひげかざりありの英文フォント)で文字サイズが小さいためカッティングマシンでうまくカットできなかったためです。前回の記事で描きましたが、制作ものに不向きなことの実証となりました。


図3 没にしたアイコン風マーク


 その他、サインボードだけポツンと店頭に置いてあると、出しっぱなしなのか営業しているのかがわかりにくいと思い、ライティングしたり、お客様からいただいたハイビスカスを添えることで、“ただいま営業中”である雰囲気を出してみました。


 もっと大きくて、派手な電飾で飾り立てれば“目立つ看板”を演出できるとは思いますが、路地奥の雰囲気の良さを表現したかったため、このセットが現時点でベストと考えています。

図4 サインボード、ライティング、ハイビスカス


 何気ないサインボードに見えますが、使用目的や条件を考慮しつつ、デザインに関してはいくつか案を作って比較しつつ仕上げています。

Comentarios


bottom of page