当店では極深煎りまでの深煎りはありませんが、“深煎り”の範疇(はんちゅう)のコーヒーを提供しております。現時点ではルワンダ スカイヒルが深煎りです。もう1種まもなく追加予定です (2020.2.21~パプアニューギニア AAキンデン農園のみが深煎りです)。
今回は“深煎りコーヒーの熟成”のはなしなのですが、当店内での共通用語として“熟成”と呼んでいるだけで他店ではどういう表現をされているかは聞いたことがありません。
さて、この深煎りコーヒーの風味(カップからの香り、飲んだ時の味と香り、余韻)。焙煎日から約7日目くらいまではフレッシュな風味が続きます。“フレッシュ”というのは、カラっと香ばしく後味のキレがよい印象です。香りも含め少しドライな印象です。
そして、焙煎日から7日目を過ぎ約21日くらいまでかけて熟成されていきます。それは、コクや香りが、よりしっとりとして奥行きが深く、後味には深煎りにしかない穏やかで落ち着いた心地よいフレーバーが増していきます。(挽かずに豆のままで保存した場合に限ります。)
当店では、深煎りコーヒー豆の選定基準として、“熟成”が起きるかどうかを第1条件にしています。
以下余談になりますが、深煎りで熟成する豆に出会えることが意外と難しいというのが実際です。仕入れ先から、品種や豆の大きさで、ある程度目星をつけたものを取り寄せてテストするのですが、熟成する深煎り豆を見つけたときは当たりくじを引いた気分です。
お店では焙煎した豆は販売してしまうので、たまに出る売れ残りをビンのフタを開けずに1か月~3か月ほど保存してから試飲するという“賞味期限の確認”が楽しみの1つとなっています。
このような試飲をもとに焙煎度を調整することもあります。
店舗移転前に保存しておいたマンデリンが約2か月ほどしてミルキーな風味を感じるようになりました。この試飲で熟成的要素を感じたため、移転後は少し深めに焙煎することでマンデリン特有のフレーバーを残しつつ熟成的要素を足し算しています。
保存は密閉ビン常温保存で大丈夫です。もし3週間ほどの熟成を試したい場合は、その分だけ開け閉めせずに済むように別ビンをおすすめします。
今回は、コーヒーの楽しみ方のひとつとして、深煎りコーヒーの熟成についてでした。
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