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執筆者の写真TOMOCHI COFFEE

再掲載:深煎りコーヒーの熟成

***2020年2月に掲載した記事の内容を一部あらためて再掲載します。



パプアニューギニア 深煎り(フルシティロースト)


 当店では極深煎りまでの深煎りはありませんが、苦みが軸となったバランスの“深煎り”コーヒーを提供しております。


2020年6月24日時点では深煎りは、

 ・パプアニューギニア AAキンデン農園

 ・インドネシア クリンチマウンテン(マンデリン)

の2種類になります。


 今回は“深煎りコーヒーの熟成”のおススメの話です。

 いまの時期は、アイスコーヒーにもピッタリと思います。


 さて、当店で共通用語として“熟成”と呼んでいるだけで他店ではどういう表現をされているかは聞いたことがありません。


 浅煎り・深煎りにかかわらず、エージング(経時変化)による味の変化は起こります。つまり、焙煎日に近いフレッシュな印象が経時変化とともに角が取れマイルドで落ち着いた風味に変化していきます。


 当店が言う「熟成したコーヒー」はいわゆるエージングされたコーヒーではあるのですが、さらに劣化要因である空気・湿度の入れ替えをできる限り排除した上でエージングをした状態を「熟成」と呼んでおります。


 方法は簡単で、密閉のビン容器に豆を保存して、一度も開けずに=空気を入れ替えずに常温で焙煎日+14日~20日ほど寝かすだけです。できれば、何らかの方法で遮光できた方がよいです。

 店頭でお渡しするガゼット袋では劣化が進みやすいため、熟成をお試しになる場合はおススメしません。フタ付きビンなどをお使いください。


 さて、この深煎りコーヒーの風味(カップからの香り、飲んだ時の味と香り、余韻)。焙煎日から約7日目くらいまではフレッシュな風味が続きます。“フレッシュ”というのは、カラっと香ばしく後味のキレがよい印象です。香りも含め少しドライな印象です。


 そして、焙煎日から7日目を過ぎ約21日くらいまでかけて熟成されていきます。それは、コクや香りが、よりしっとりとして奥行きが深く、後味には深煎りにしかない穏やかで落ち着いた心地よいフレーバーが増していきます。熟成感を味わう場合は14日以降のコーヒーがお勧めです。ただし、挽かずに豆のままで保存した場合に限ります。


 当店では、深煎りコーヒー豆の選定基準として、この“熟成”が起きるかどうかを第1条件にしています。


 以下余談になりますが、深煎りで熟成する豆に出会えることが意外と難しいというのが実際です。仕入れ先から、品種や豆の大きさで、ある程度目星をつけたものを取り寄せてテストするのですが、熟成する深煎り豆を見つけたときは当たりくじを引いた気分です。



 今回は、コーヒーの楽しみ方のひとつとして、深煎りコーヒーの熟成についてでした。

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