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執筆者の写真TOMOCHI COFFEE

焙煎度と風味の関係


◎コーヒーを選ぶ基準



 コーヒーを選ぶ基準はさまざまだと思いますが、


 ・酸味の強弱

 ・苦みの強弱


というのをいちばん最初に考える方が多いと思います。


この酸味と苦み。

産地や品種などによって強さや質感、バランスが異なりますが、おおよそ図1のような傾向になります。



図1 焙煎度(浅・深)と風味(酸味・苦み)の関係

 つまり、“酸味が少ないコーヒー”をお求めのお客様は、焙煎度が深い“深煎り”がおすすめとなります。

 その時に必然的に苦みが多め・強めのコーヒーになりますが、商品ごとに苦みの質感がマイルドなものやシャープなものなど種類がありますので、その中でお選びいただけます。

(深煎りならではのしっとりとした味わいに関して、過去記事:深煎りコーヒーの熟成もご参考になさってください。)


 逆に苦みが少ないコーヒーの場合も同様で、“酸味の質感”というところでの選択になります。



◎コーヒーの酸味


 しかし「苦みは強くない方がいいけど、酸味も苦手」という方も多くいらっしゃいます。


 また、酸味が苦手とおっしゃっていたお客様でも、一度飲まれてみて上質な酸味=フルーティという印象を持たれて酸味の虜になられる方も多くいらっしゃいます。



 上質なコーヒーの酸味は刺すような酸っぱさではなく、リンゴ酸いわゆるフルーツ系の酸が際立ちます。コーヒーの個性的な味と香りは酸味成分に多く含まれているため、そのコーヒーにしかない“フルーティ”さを残したい豆に関しては、酸味をほどよく残す焙煎をしています。



 そのときに、酸味が強すぎると飲み飽きてしまいますので、そこは苦みやコク、余韻や甘みとのバランスを焙煎度や熱の入れ方で調整しています。


 その調整の基準を当店では、図2のように甘みを多く感じるあたりの焙煎度に設定しています。それが“シティロースト<中煎り>”あたりで、当店のラインナップではグアテマラ、ブルンジ、エチオピアがそれになります。

 甘みが深煎りで減少する理由は、加熱によって糖分の化学変化、いわゆるキャラメル化がおきており香ばしさや苦みの増加とともに糖分が消費されるためです。




図2 焙煎度と甘みの関係



◎当店の焙煎度表示と風味表示


 当店のプライスカードには焙煎度と風味を表示しております。


 焙煎度は、焙煎度測定器(色差計)にて測定した結果です。焙煎度の表記方法は、色の明るさで表す方法と名称で表す方法がありますが、当店では日本でもなじみ深い「シティロースト」など名称で表記する方を採用しております。ちなみに、測定方法はどちらも同じ“明度(L値)”を測定していますので呼び方のちがいになります。


図3 焙煎度測定

 また風味表示は、当店スタッフがテイスティングをした結果です。単なる酸味・苦みのバランスだけではなく、その豆固有の風味が選ぶ楽しみになると思いますので、主観ではありますが表示しております。


図4 当店のプライスカード…焙煎度・風味表示

※ 焙煎度表記は、浅煎りから順番に書くと


 ライト→シナモン→ミディアム→ハイ→シティ→フルシティ→フレンチ→イタリアン


となり、当店では酸味・苦みともに強すぎない赤文字の範囲内で調整・仕上げをしています。


 また、各焙煎度を細かく分類するために、


 シティ(+) [してぃ ぷらす]


などとプラス・マイナスで表示をします。何も書いていないのは中間です。



以上、ご参考になさってください。

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